大原敬子(けいこ)公式ホームページ


愛されている幸せ⑧ 変わらない憧れ  先生は、私が小さい頃から、『えんぴつ一本で世界に行ける』とおっしゃっていた。私も小学生の頃から、きっといつか、そうなりたいと信じている。

先生のメガネ  先生のメガネを直すのは私がいちばん上手。はなの上に乗せるような先生の小さなメガネ。字の細かい資料を見ていただくときにしか登場しない。でも、私が小さな頃からずーっと変わらないメガネだから、それを直せることが私の自慢。

一番いいところ  先生は私の一番いいところを教えてくれる。私は泣いた顔よりも笑った顔がとっても可愛いと言ってくれたのも先生。「愛ちゃんはこう!」と私に似合う飾りをつけた絵を描いてくれたこともあった。このいつもの髪型に、ベールのようなものを被せて、ベールの縁取りにはキラキラと輝くラインストーンのようなものをつけた。私にはそれがどこかの女王様のように見えてうれしくってたまらなかった。いつもおかっぱのようで、流行ではなく、友達にからかわれたから、だいっきらいだった自分の髪型さえ、最高に思えた。

魔法の言葉  先生の言葉は私に自信をくれる魔法の言葉。中学3年生か、高校1年生の頃、私の耳元で「愛ちゃんは、冷静さ。冷静さがあれば何でも乗り越えられる」というようなことを言ってくださった。高校2年生の頃には、私を「絹のハンカチ」と例えてくださった。意味はよく分かっていないけれど、私にとっては最高のものに思えて心にずーっと残っている。

先生の涙  中学受験の前の日、先生と真っ暗な教室でろうそくの火をじーっと見ていた。ろうそくの火を見ると私は少し動揺した。じーっと見ることができなかったのかもしれない。彩が言うには、その時先生は泣いていたらしい。先生はろうそくの火を見ながらどんなことを考え、思っていたんだろうと思う。