大原敬子(けいこ)公式ホームページ


愛されている幸せ④ 全身の喜び  先生は、全身で怒られる。でも怒られた次の日は、不思議なくらい私には違った先生に見えた。”違った”というのは、怒られた次の日も私の普通は、どこかでその怒られた空気が残っていると思っていた。でも、その空気がもう、新しい空気になっている。
 先生が怒られたときは、私自身を嫌いとか、私を否定しているのではなくて、その行動、その行動の奥にある心理をやってしまったら、社会に出たとき、嫌われてしまうというのを教えてくださっているということが、最近理解できた。だから、私も今は、きっと次の日は新しい自分になれる気がする。
 先生は怒るときも全身だけれど、喜びも全身の喜びだった。先生が喜ばれると、私も心から嬉しくなる。嬉しいことがあると、ちょっとかっこつけたくなってしまうけれど、嬉しいときは、嬉しいまんま伝えることが大事なんだってすごく思う。なぜなら、先生の全身の喜びは、伝えてもらった私が、「今日はすごくいい日だったなー。」と言葉に出してしまうくらい幸せになる。空気だって澄みわたっているように感じる。

キュン  先生が、この間「胸がキュンとすることがあれば、人間それだけで生きていける」といようなことをおっしゃっていた。その、キュンというのは、「今日、この電車に乗ればあの人に会える」とか、「あー、このナスを串にさして、焼いて、ちょっとお醤油をかけて食べたらおいしいだとうなー」というような小さなことでも、胸がキュンと痛くなるような感覚だと言う。
 先生がこのお話をしてくださって、意識して考えてみると、あれだけキュンとなる楽しみが、一時期は毎日のように、とくに水・木・金曜日はたくさんあったのに、最近は1個もなかった。楽しみを見つけようと思っても、見つからなかった。でも、先生とお話をして、心の中の不安や焦り、納得できない怒りなどが空っぽになった次の日、キュンを感じること3回もあった。キュンは心が満足している証拠かもしれないと思った。前向きに「やってみよう!」とか「こうなったら、もっといいことあるかもしれない。そうなろう!」というエネルギーがフツフツと湧いてくる。

お弁当  暑い夏の日。大学のテストで講習会に参加できなかったとき、先生がお弁当を作ってくださった。図書館の前のベンチに座って、袋を開けると中に、”先生のサンドイッチ”と手紙が入っていた。硬いパンは嫌いですか?のあとに続く手紙。今でも、部屋に飾られているその手紙に大事な日はお祈りする。先生の優しさは何ていうか、風のように感じる。全部いやなことが吹き飛んでしまう。

褒める  私は、点数がよかったり、表彰状をもらったとき、ほめてもらえると思ってた。そう先生に言うと、「私のおばあちゃんがほめてくれるのは、もっと違うところ。先生が小さな頃、弟にさんまの骨のない方をあげたとき、私は無意識だったけれどおばあちゃんがすごくほめてくれた。そこに気づくなら、勉強も伸びる!というの。」とお話してくださった。
 私はパフォーマンスは人一倍、いやもっと頑張れる。でも、これからは”いつもやっている人”じゃなくて、”あの人がいると何だかわからないけれど気持ちがいいと思われるような人”になりたい。

ぞうさんの足首  「その声すごくいい!!」「今日の洋服、すごく素敵ね。」「あなたは、ヘアバンドが一番似合うの」
 先生は、見えない自分、誰も教えてくれない自分を教えてくださる。先生の言葉は私を輝かせてくれる。
 高校生のとき、「あなたは、足が長いんだからもったいない。」と言って、足首が細くなる秘密の体操を教えてくださった。約2年、毎日毎日おまじないのようにその体操をしたら、たしかに足首は以前より細くなった。今では「昔はぞうさんみたいな足首だった。」と笑い話になっている。